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最高裁判所第二小法廷 昭和25年(れ)1160号 判決 1950年11月17日

主文

本件上告を棄却する。

理由

被告人の上告趣意について。

所論は、要するに、本件犯行に関する情状を述べ寛大な判決を求めるというのであるから上告の適法な理由とならない。

弁護人柳瀬国宣の上告趣意について。

刑法五四条一項後段の「犯罪の手段たる行為」というのは、犯罪の性質上通常他の種の犯罪の手段として用いられるかどうかを標準として、定めるべきものであることは、当裁判所の判例とすることろであるが、原判示第一の行為は、その性質上、通常、原判示第二の所為の手段として用いられるものということはできないのであるから、原判決が右被告人の所為に対し同条同項後段の規定を適用しなかったのは正当であって、論旨は理由がない。

よって、刑訴施行法二条、旧刑訴四四六条に従い主文のとおり判決する。

この判決は全裁判官一致の意見である。

(裁判長裁判官 霜山精一 裁判官 栗山茂 裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎)

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